画家単位、あるいはひとりの画家による一連の作品を一単位とした画像デ-タベ-スを構築するという本研究の目的は、基本的には達成されつつある。画家名、作品名などから特定の絵画作品をCRT上に呼び出すことは、作品数が多くても可能である。しかしながら、呼び出し時間は記憶メディアによっ左右される。大容量の光磁気ディスクは長い呼び出し時間を要する。それに対して、ハ-ドディスクは短時間で呼び出しができるのだが、容量が小さい。その場合には、画像デ-タを複数のハ-ドディスクに入れて、2段階検索をする必要が生じてくる。 画像取り込みは256色でおこなっているが、フルカラ-ボ-ドが開発されたので、それを購入してフルカラ-取り込みに切り換える準備をしている。但し、そのフルカラ-ボ-ドの性能は優れたものとは言い難く、画像の取り込みおよび呼び出しのための時間を更に長くする結果となっている。 呼び出した画像を変換する試みも各種おこなっている。種々のル-トから、必要な画像情報を呼び出せ、更に、その画像に各種の変換を加えることのできるシステムを作ろうとしているのである。しかしながら、そのようなクロスレファレンス・システムと多様な画像変換の可能性とをひとつのシステム内に両立させることは容易なことではない。それは操作に要する時間という現実的な要素も考慮に入れた場合、なおさら困難なものとなる。以上のような各要素、各要求条件間のバランスの達成が次年度研究の課題のひとつとなるであろう。
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