スキャナ-で画像デ-タを取り込み、検索システムに入れ、文字デ-タと一体化して扱う試みを継続した。少数のデ-タを扱う限りにおいては問題は少ないが、画像デ-タをすべてビットデ-タに加工して処理するために、デ-タ項目が増加するとシステム自体に負担がかかり、実行速度が低下するという欠点があることが判明した。デ-タが増えるほど使い難くなるというデ-タベ-スにとっては大きな問題をかかえたまま構築作業に入るのではなく、その欠点を克服できる方式を検討するというル-トを選び、夏期の研究に入った。 その結果、現在の技術レベルでは、画像デ-タと検索項目とを異なった記録方式で処理する以外にはないという結論に達した。いくつかの方法を検討したが、その中で実用になりそうなものは、画像デ-タをビデオディスクに分担させる方法と、画像デ-タと文字デ-タを別種のフォ-マットで処理するアプリケ-ションを用いる方法である。だが、前者には静止画像の質の問題があり、後者には画像デ-タの圧縮解凍技術の今後の変化の予測がつかないという問題があることがわかった。その他の方法との比較検討の結果、上記の諸問題をクリアし数年中に確実に機器が整うものとしてフォトCDシステムがあげられることが判明した。その結果、フォトCDシステムを念願に置いて検索システムを準備するのが最良の方法であるという結論に達し、検索方式を試作し、検索システムとフォトCDシステムとの接続方法を検討した。 本研究の範囲内では、小規模な試み以上のものはできていないが、それらの試行を通じて、芸術研究に有効利用の可能な画像デ-タベ-スのシステム、つまり検索と画像変換がともに行なえる統合型画像デ-タベ-スのシステムについて明確な方向性を打ち出し、今後の研究の基礎を作ることができた。
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