本研究は、高校生の学習様式の実際の特徴をとらえた上で、それの関連する諸要因を吟味することを主なねらいとしている。 高校生の英語学習の目的と、その目的に応じた学習様式の関連性について検討した初年度の結果から、高校生の学習様式は、英語を大学受験のために必要な教科としてのみ学習しているものと、将来、英語能力を必要とする職業につきたい、あるいは専門的に勉強したいとするもの、単に高校で必須科目とされているから学習するものとでは、明らかに異なることが示された。さらに、これらの生徒間には、英語学習に対する意識・動機づけの様相にも違いがみられた。 平成2年度の研究目的は、この結果をふまえて、生徒の学習様式と彼らを指導している教師の指導様式(学習のさせ方)の関連性に焦点を当てて検討することであった。平成3年2月に、愛知県下の高校の英語担当教師を対象として、質問紙調査を実施した。この質問紙は、平成元年の実施した質問紙にもとに構成され、「大学受験を目的として学習している生徒に対する指導方法」、「将来の職業などの必要なために学習している生徒に対する指導方法」、「学校の必須科目として学習している生徒に対する指導方法」、最後に、「教師自身が日常行っている指導方法」の4部からなっており、個々の教師の指導方法が、生徒の学習目的に応じてどのように異なるかを調査したものである。現在、相関分析的手法を用いて、結果の分析を進めているところである。
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