農村の嫁不足が深刻である。それを捉えるに当っては二つの視点が必要である。一つは、結婚は個人のプライバシ-に係わる問題であり、その動機、出会いの場所、結婚相手の選択基準などである。もう一つは、この点が多くの場合、見落とされがちであるが、全体的な社会構造的視定である。それを産業化との関連で捉える。産業化に関するいくつかの命題を設定した。 1.産業化は、2次産業、3次産業の比重を高めることによって、農業の地位を相対的に下げるだろう。ー農業階層点の低下仮説 2.産業化は、都市化を促進することによって、都市的地域魅力を増すだろう。逆に農村的地域魅力を下げるだろう。ー農村地域魅力の低下仮説 3.産業化は、階層構造の解放性をもたらすことによって、女性の結婚アスピレ-ションを高めるだろう。ー結婚アスピレ-ションの性差仮説 これらに加えて、結婚の動機、人は、パ-ソナリティ、価値観、社会的側面(職業、収入など)のどれを重視するのであろうか。また、結婚の同類婚仮説を検証しようとした。学歴、職業、地域などにおいて、どの程度同類婚があるのか。 結果としては、農業階層点の低下仮説、女性の結婚アスピレ-ション上昇仮説は、はっきりと検証されたが、農村地域魅力の低下仮説は否定された。
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