研究課題/領域番号 |
01510136
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村田 翼夫 筑波大学, 教育学系, 助教授 (10000085)
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研究分担者 |
渋谷 英章 中央学院大学, 講師 (50183398)
朴 聖雨 筑波大学, 教育学系, 助教授 (40181052)
湊 吉正 筑波大学, 教育学系, 教授 (10009011)
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キーワード | 東南アジア諸国の国民統合と教育 / 多文化と国民教育 / 国民統合と教授用語 / 社会的言語類型 / 言語教育の多様性 / 国民教育と共通語 |
研究概要 |
今年度は、昨年に続き東南アジア諸国のうちタイ、マレ-シア、シンガポ-ル、インドネシア、フィリピン、ミャンマ-、スリランカ、インドの8ヶ国を取り上げて研究した。第1に、東南アジア諸国における社会的な言語類型として、国語、公用語、地方語、母語、古典語などについて調べた。その際、各国の主な民族、宗教など社会的、文化的背景についても研究した。共通語には、普通は国語が考えられるが、シンガポ-ル、フィリピン、インドのように国語より公用語が共通語として通用している国もあった。第2に、東南アジア各国における教育政策の展開にみられる教授用語の位置を解明した上で、教授用語の現状を調査した。とりわけ、社会的な言語と教授用語の関係を学校教育における実態から明らかにしようと試みた。カリキュラム上の言語教育と教授用語の関係も検討した。第3に、教授用語と国民統合の関係を究明した。その結果、教授用語には3種類の方式があることが理解された。1つは、教授用語を一言語にしぼる同化主義である(タイ、インドネシア、ミャンマ-)。次は、複数の教授用語を認め比較的にゆるやかに国民統合を図る統合主義である(マレ-シア、シンガポ-ル、スリランカ)。各地方の多様な文化を認め教授用語の統一にこだわらない文化的多元主義も見られた(インド)。 以上の研究成果を平成2年3月に発行した中間報告書「東南アジア諸国における多文化と国民教育」に続き、最終報告として「東南アジア諸国における多言社会と教授用語」と題する研究報告書にまとめた。村田翼夫が「序」と「タイ」のケ-ス、渋谷英章が「フィリピン」と「インド」のケ-スについて発表した。その他、教授用語と言語教育を中心に、研究協力者に依頼して、マレ-シア、シンガポ-ル、インドネシア、ミャンマ-、スリランカについても研究報告を行った。
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