本年度行なった研究は、次の1と2に関してである。 1. 次の生活科研究先進校6校の調査を行なった。 (1)愛知教育大学附属名古屋小学校*、(2)岐阜県揖斐郡大野町立大野小学校、(3)埼玉県浦和市立仲町小学校、(4)愛知県幡豆郡吉良町立白浜小学校*、(5)愛知県岡崎市立大門小学校*、(6)愛知県宝飯郡御津町立御静南部小学校 (*印は、研究を共同で行なった学校である。) これらの学校は評価の研究を重点に進めており、下に記した研究を進めるにあたり多くの示唆が得られた。 2. 生活科の評価方法の開発研究 教える内容がはっきりしている教科では評価が比較的容易であるが、生活科では評価の観点と評価方法が未だ定まっていない。 そこで、活動性の高い、普通、低い(横軸)と、学習内容に対する好き、普通、嫌い(縦軸)の二観点で、児童を9つにタイプ分けした。そして、すべての児童を、1象限に位置する「内容に興味を示し活動性が高いタイプの児童」に移行させることを目標にした。 3種類の授業を行ない授業の分析した結果、授業の目標が達成されたとみなされる児童はいずれも1象限に近付いていくことが確認された。また、この方法は、児童を容易にとらえることができることも分った。 以上のことから、活動性と内容に対する好嫌の二軸で授業と児童を評価していく方法は、実践場面で有効に使えることが明らかとなった。
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