研究課題
近年、新教育機器を組み合わせた教材が障害児教育で注目されつつある。しかし、障害児の視知覚、弁別などの研究が不十分なため、その教材開発は健常児の場合にくらべて極端に滞っている。障害児の学習は画像デ-タの注視に始まると考えられる。教材開発の一つの中心課題は、具体物や抽象的概念を視覚化するための図形やイメ-ジなどを十分貯え、それを学習教材に適宜利用することが重要となる。本研究は画像の特性である、動き、形、明るさ、布置関係、調和性、呈示時間、さらに画面の輝度などが障害児の注視、弁別、記憶にどのような影響を及ぼすかを検討するため、障害児の画像認識・選択能力の抽出のためのシステムを試験的に開発した。なお、本研究は、主としてコンピュ-タ-グラフィクスや双方向的なレ-ザディスクなどの技術的知見を導入し、視知覚過程を解明しながら、画像認識・選択能力抽出システム開発を次の手続きによって行った。1)障害児の視知覚特性に基づくモデル的な画像を作成し、デ-タベ-ス化した。2)画像と注視行動とのデ-タ収集のため、学習教材づくりのための画像選択システム開発を行った。3)研究協力校において障害児にさまざまな属性を組み合わせた画像を提示し、画像特性とその認識・選択能力の検出関係のデ-タを一部収集した。4)画像選択システムの改良を行い、システムの有効性に関する一部基礎デ-タを収集した。
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