本研究では、研究を遂行すべく、現地調査を、昨年8月・11月および本年3月の3回にわたって現地調査を実行し、現地の研究者や関係機関との打ち合わせや資料収集、また研究の現状把握などを行なってきた。その結果、淡路の研究は、考古学・近世史・近現代史・民俗学などの分野では一定の高い水準に達しているものの、古代・中世史の分野では、関係史料が少ないためか関心が低く、戦国時代を除くと研究がかなり立ち後れているようである。以下、この1年間で行なってきた調査の一端を明らかにしたい。 まず、淡路の古代史についてみると、従来津名郡においてその存在が確認されていなかった条理制地割遺構が、たとえば津名町を流れる宝珠川沿いにもみられるので、地元の研究者にその調査を依頼しておいたところ、本年3月に行なった地元研究者との打ち合わせの席で、その調査の中間報告がなされ、遺構はかなり明瞭であることが確認された。 また、中世史に関しては、淡路島島内所在史料は80点しかないので、島外所在史料の史料の検索を進めているが、特に荘園関係史料は多いとはいえないまでもかなりの数にのぼることが分かった。なお、島内所在中世文書の調査はすでにほとんど済んでいる。 さらに、従来の研究文献に関しては、幸い淡路地域公共図書館等所蔵『郷土資料総合目録』(淡路広域行政事務組合発行)を入手できたので、それをもとに研究の実状を把握したいと考えている。 以上のような成果は、逐一パソコンにデ-タとして入力しており、最終的にはデ-タベ-スとして、活用できる形にしたいと考えている。
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