本年度は、昨年度に引き続いて主として現地研究機関での資料・文献収集、および現地の研究者との打ち合わせを行なった。 本年度の成果としてまずあげるべきは、淡路に関する史料および研究文献の概略を把握できたことである。また現地研究者との交流も深まり今後も調査を続けて行く上での、貴重な足がかりができた。具体的成果としては、淡路に関する古代・中世史料の目録、淡路関係研究文献の目録を作成することができた。これらに関しては成果報告書を作成する予定である。なお、成果のデ-タベ-ス化は、現地の研究者との照合を行なっており、近日中に完成する予定である。また、今後の研究計画としては、これをベ-スとして、地元機関・研究者の協力を得て、『淡路国編年史料集成 古代中世編』といったものを完成させたい。 但し、研究計画では、現地の研究者と協力して条里制地割遺構の調査を行なう予定であったが、地元研究者との日程調整がつかず、現地調査を行なうことができなかったため、今回は残念ながら、研究期間中に具体的成果を得られなかった。また現地の自治体との協力も、当初予定していたレベルで行なうことができなかった。これらの点は深く反省している。但し、それらについては地元研究者に調査を依頼してあり、今後も調査・研究を続行し、いずれその成果をあげたいと考えている。 なお、最近、現地研究者・文化人が中心となって「淡路学の会」が発足した。これなどは、明石大橋の開通を目の前にして、淡路を総合的に理解しようという動きであろう。地元でのそのような動きに大いに期待するとともに、今後も、その会などとも協力して研究を深めて行くつもりである。
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