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1991 年度 実績報告書

香川敬三の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01510209
研究機関皇学館大学

研究代表者

上野 秀治  皇学館大学, 文学部, 助教授 (70072428)

キーワード香川敬三 / 香川敬三関係文書 / 皇后宮大夫 / 明治天皇 / 昭憲皇太后 / 岩倉具視 / 明治宮廷の近代化
研究概要

香川敬三の子孫の家に残る文書24,837点を整理し,敬三の事蹟をはじめ,敬三が宮中で果した役割,および明治宮廷が我が国の近代化に果した役割を究明することを目的として本課研究で,次の成果を得た。
香川敬三の履歴については,本研究の研究成果報告書に写真版で履歴史料を付したが,維新後の職歴が明確となり,関与した仕事もほぼ見当がついた。幕末期の事蹟は,東京大学史料編簒所・岩倉公旧蹟保存会対岳文庫・宮内庁書陵部等の所蔵文書も検討したが,従来知られていること以外付け加える点は殆んどなかった。
明治宮廷において敬三が果した役割で新知見は,次の通りである。明治17〜18年頃天皇と政府が対立した際,双方と接触のあった敬三は,皇后を輔佐して,皇后に両者間の対立を融和させるように働きかけて奏功し,両者から信頼をより深く受けるようになったことがあげられる。次に皇后や女官が政治に関与しないよう敬三は注意していたこと,皇后よりの賜金はすべて皇后宮大夫が窓口になって把握することに努めていることもわかった。それは天皇の生母中山慶子を通じて泉涌寺が援助を願った際,敬三から寺に女性を通さず皇后宮大夫へ申し出るように注意した書簡を泉涌寺で発見したことによる。さらに皇族に対する指導にも力を入れ,皇族たちからの信頼も厚く,久邇宮朝彦親王の王女を家で預かったりしていたことも知ることができた。敬三が宮中で果した役割は,立憲君主として仰がれる天皇,そして天皇を補完する皇后や皇族で構成される近代的な宮廷を作りあげ,外国とも対等に交際できるように制度化させる一端を担った点にある。
なお,明治宮廷が我が国の近代化に果した役割については,今後も研究を深めることとしたい。また香川家文書の本目録作成のための整理も完了に至らなかったので,今後も継続していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 上野 秀治: "明治期における東宮紀選定問題" 史料(皇学館大学史料編簒所報). 115号. 1-4 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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