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1、鄭韓故城・曲阜魯国故城・臨〓故城・蘇州呉城などの城郭構造を文献・考古双方の資料でもって考察し、それらが基本的にいわゆる内城外郭式構造をもっていたことを確認した。
2、鄭都鄭城・呉都呉城の内城の位置を探索し、それぞれ鄭韓故城西城内北部・蘇州呉城中央東よりに位置していたことを確認した。
3、春秋列国都城の内城はおおむね朝南の構造をもっていたことを確認した。
4、漢書地理志所見漢代県城の起源を探索し、その多くが春秋戦国以降に成立したいわゆる新邑であることを確認した。
5、先秦列国都城の住民構成を考察し、それが社会的・文化的に単一な諸族の集合では決してなく、異なった社会的・文化的伝統をもった複数の諸族の集合であることを確認した。とくに蛮夷城狄とよばれる異民族的諸族が、本来の文化的・社会的伝統を保持しつつ都市内外に独目の居住区をかまえていたことが確認された。湖北省江陵陀江寺遺跡はそのような居住区の一例である。
6、國字の本義を考慮し、それが本来外郭の部分をふくまなかったことを梶認した。
7、成都故城・江陵紀南城・蘇州呉城などの長江流域先秦都市の城郭構造を考察し、中原諸都市と同様いわゆる内城外郭式構造をもっていたことを確認した。
8、以上の研究成果を一編の論文・三回の口頭発表で公表するとともに、二年度にわたる成果を整理し研究成果報告書を作製した。
9、なお本研究の主要考察対象となった鄭韓故城については、「鄭韓故城の研究」と題した専題研究を公表する予定である。
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