研究概要 |
1.本研究の基礎資料となる資料の作成について (1)「研究実施計画」のうち,『鎌倉幕府法・追加法・漢字索引』につき,10分冊中の「第2分冊」を作成した。目下,「第5分冊」清書中。(これにて10分冊中,第1・2・3・4・7分冊の5分冊が作成済となる) (2)写真撮影,複写,その他の手段により,常用書簡文,古往来本文を収集しつつある。 2.常用漢字と非常用漢字の考察について (1)中世文書群の核となる『鎌倉幕府法』(御成敗式目・追加法)につき,その使用漢字について考察した。即ち,この資料を11箇年ごとに区切り(10分冊仕立て),その使用頻度を調査し,当時における常用漢字を抽出しようとした。 (2)『色葉字類抄』の「天部」と「地部」とにおける語彙とその用字における諸作品と照合し,その常用性・非常用性,又実用性・非実用性について考察した。 (3)日本語において常用される「助数詞」とその用字について検討中。日本語における「助数詞」は,「文書」という文章ジャンルにおいて常用されているようであり,これは又中国古代の文書行政の影響を受けたものと推測する。これを証明すべく,次の三方面からの調査・分析を行った。 イ.中世主要古辞書における助数詞の分析 ロ.上代から平安時代における助数詞の分析 ハ.古代中国(漢代を中心とする木簡資料による)における量詞(助数詞)の分析
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