研究概要 |
我々は過去3年間(平成元年度、2年度、3年度)「コンピュ-タ-による中世英国韻文ロマンスのコンコ-ダンス編纂」の課題によって、上記文部省科学研究費補助金(一般研究(c))を受け、中英国韻文ロマンスの内の「シャルルマ-ニュ大帝伝説」の作品群の主要作品7篇のコンコ-ダンス編纂計画を推進してきた。初年度はSir Firumbras(c.1380)、第2年度はDuke Roland and SirOtuel of Spain(c.1400),Otuel(c.1330),Otuel and Roland(c.1330ー40)の諸作品のコンコ-ダンスを編纂した。 本年度は3年計画の最終年度として、Roland and Vernagu(c.1330),The Sege of Melayne(c.1400),The Sowdon of Babylon(c.1400)の3作品を取り上げた。これらの作品は、我々がこれまで研究したことがなかった作品であること、又これまでの作品と同様に、19世紀出版のEETS版しかないために、作品研究とテキスト研究・検討に本年度の大半を費やした。本年度も助成金によって、ロマンス関係の文献を購入でき、以上の研究・検討に大きな力となった。 平成3年12月からテキストのコンピュ-タ-入力作業を始め、今年度も大学院生をアルバイトに雇うことができ、入力、校正、特に後者の点で大いに助かった。上記の作品にそれぞれKWIC concordance,word index,ranking frequency list,reverse word list,rhyme word listを作成し、これらの作品に多面的にアプロ-チできるように配慮した。従って、我々のコンコ-ダンスはこれらの作品研究の大変有用な道具になるものと期待される。
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