中国は1990年5月19日に国務院令55号として、全文8章54条からなる「城鎮国有土地使用権出譲および転譲暫行条例」を発布し、同日施行した。この法令によって一應は土地使用権の譲渡およびこれを担保とすることが認められる建て前となり、それが実現されるならば、中国への投資のための有利な刺激剤となりうることは明らかである。しかし、この立法の実際的活用例は、いままで殆んどなく、その実効性は多くの点について問題であり、とくに公示の問題、訴訟制度ないし執行制度の問題、利用権自体の相続ないし家族的利用の問題は殆んど解明されていず、また。国際和法的関連、とくに台湾法および香港法との接觸の問題も明らかではない。以上諸点について、今後とも又維続的に深入りする必要がある。 それから、中国は同日(5月19日)に国務院令56号として、全18条からなる「外商投資による成片土地開発経営暫行弁法」を発布し、同日施行した。「成片土地」というのは、かなりの広い土地を意味する。外国のデベロッパ-の資金と経営能力を積極的に活用して、大規模土地開発を展開し、投資環境を改善し、そこに外資先進技術企業を発展させようというねらいでこの法律は制定された。但し、この法律は、経済特区、沿海開放城市および沿海経済開放区の範囲内において適用される。実例としては、天津経済開発区土地管理局からアメリカのMGMコマ-シャル社が536ヘクタ-ルの土地使用権を得取したケ-スがあった。期間は70年、利用目的は工業用地譲渡料は1平方メ-トルあたり3.25ドル、総額1742万ドル。36ケ月の分割支払い。その外、淅江省の寧波でアメリカ企業が200ヘクタ-ルの土地使用権を買い開発中。福建省の厦門では、台湾商人が990ヘクタ-ルの土地使用権を買い開発中。尚且、1990年9月11日上海市政府発布「浦東開発開放九個法規文件」、9ケの法規文件からなり。海外からの投資、貿易を熱烈歓迎している。
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