研究課題/領域番号 |
01520024
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
荒川 重勝 立命館大学, 法学部, 教授 (00066680)
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研究分担者 |
山本 隆司 立命館大学, 経済学部, 助教授 (10150765)
佐上 善和 立命館大学, 法学部, 教授 (50081162)
長尾 治助 立命館大学, 法学部, 教授 (90014430)
中井 美雄 立命館大学, 法学部, 教授 (60066602)
乾 昭三 立命館大学, 法学部, 教授 (70066538)
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キーワード | 消費者法(Consumer Law) / 消費者信用(Consumer Credit) / 担保法制 / 銀行取引 / 結合取引 / 立法論的研究 / 比較法的研究 / 法規定間調整(Rrchtsharmonisierung) |
研究概要 |
消費者信用担保は、何よりも取引や紛争の実態と法理論との緊張関係を、諸外国の経験とも比較しつつ解明することが重要である、との問題意識に支えられ、本年度は以下の諸点に特に実績を積んだ。 (1)非典型担保と実定法:非典型担保たる不動産譲渡担保の内実とその設定から実行・換価に至るまでの過程を分析し、私的実行の容易さ等、その特質を明らかにするとともに、仮登記担保法の適用可能性、並びに、担保権実行に伴う仮登記担保法そのものの問題性を検討した。 (2)不動産信用:宅地取得のための信用取引は消費者信用の一環を成すとの問題意識から、実務経験豊富な弁護士グル-プと協力体制を組み、未公表の裁判例・判決例を素材にした研究を行っている。特に、定例研究会には村本武志弁護士を大阪から招いて報告を受け、紛争実態や裁判の状況につき実務的経験を踏まえた調査・研究を行った。 (3)銀行取引:銀行総合口座での定期預金担保貸付取引を中心に、消費者が他の物品役務取引と結合させて利用することの多い銀行取引の問題点を、主として機械化された大量反覆的取引体制との関連から理論的に検討した。また併せて大阪地域の弁護士を中心とする研究会と協力体制を組むことにより紛争実態からの問題把握にも努めてきた。 (4)比較法:折から来日中だったフランクフルト大学ペ-タ-・ギレス教授を招き、EC研究会等とも協力しつつ、消費者信用に関する1987年EC指令並びにこれに基づく1989年ドイツ連邦政府消費者信用法草案に関する報告を受け、国際的経済統合に向けて歩むECの取り組み状況や、法制度上密接な関係にある日独両国での消費者信用の問題実態並びにこれに対する立法論的取り組みにつき、比較法的な観点からの研究を行った。文献を通じての研究のみならず、来日中の外国人研究者を招いての直接的接点を持つ研究は、今後も折をみて行う。
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