| 研究概要 |
2年間の計画の2年目である。昨年度行われた研究の継続であるが、分担者栗木氏の転任により、実験計画構成に関する細目課題の研究は中断せざるを得なかった。本年度の研究成果の概要を述べよう。
A.多変量解析に関するもの:(1)共分散行列が異なるR個の母集団の多重比較で、ヘテロセダステイック法に基づいて,平均ベクトルの総ての二重線形結合の,成分間の比分間の比較を有限個とした部分集合,母集団間の比較を有限個とした部分集合に対する区間幅一定の同時信頼区間を構成した。ここで関連した統計量の上方パ-セント点を評価する問題も解決した。(2)標本共分散列を共有する複数個のHotellingのT^2の最大値T^2maxー型統計量の上方%点を,いわゆる修正2次近似法によって評価するための公式およびコンピュ-タプログラムのための流れ図を与えた。この方法による近似値の精度を大規模なモンテカ-ロ数値実験に基づき詳細に調べ,実用上十分な精度をもつ近似値に対するパラメ-タの有効範囲を決めた。
B.対数正規モデル,正規ー対数正規モデル:(1)正規ー対数正規の2次元定常過程に対するcrossーcooariance関数の推定を取り扱い成果を得た。(2)2変量対数正規分布に基づいて,ゼロを含む2変量デ-タのモデル化を論じ,母数の最尤推定量を求めた。この結果を日降水量デ-タに適用し,モデルの妥当性を具体的に論じた。
C.多重分割表解析に関するもの:(1)多重分割表における一様でない関連性を測るShannonエントロピ-型の尸度を定義し,(2)正方分割表における準対称モデルの定義を拡張し,(1),(2)の実例によるデ-タ解析も論じた。
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