研究課題/領域番号 |
01530054
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石垣 健一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (40047486)
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研究分担者 |
地主 敏樹 神戸大学, 経済学部, 助教授 (60171089)
井澤 秀記 神戸大学経済経営研究所, 助教授 (80159657)
三木谷 良一 神戸大学, 経済学部, 教授 (30030670)
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キーワード | 環太平洋地域 / 金融の自由化 / 外国銀行 / 金融システム / 金融政策 / 銀行業 / 効率性 / 手数料 |
研究概要 |
平成2年度の研究は、前年度の研究実績を踏まえて、一層研究を深めるとともに、2ヶ年にわたる研究成果をとりまとめることを目的としていた。まず石垣は論文「金融の自由化と新しい金融政策ー1980年代のオ-ストラリアのケ-スー」を発表した。この論文でオ-ストラリアでの邦銀を含む外国銀行の新規参入などの金融の自由化によって、伝統的にとられてきた直接的規制に依拠する金融政策が放棄されて、公開市場操作を中心とする新しい金融政策が採用されることになったことの分析がなされた。地主は論文「カナダ:超大国の隣で」で、カナダにおける金融自由化の事情と金融市場の状況を明らかにした。とくに1980年代の外銀参入の受入れについて、それが外国銀行の金融子会社と国内銀行との競争上の不公平さを解消すると同時に、銀行業の寡占体質を打破し、競争を通じて、市場の効率性を高めるためになされた措置であることが明らかにされた。井澤は論文「ECの経済・通貨統合(EMU)についての展望」においてECで形成されつつある通貨・金融統合問題を考察することによって銀行制度を含む金融システムの在り方についての手掛りを明らかにした。前年度における日本、米国、英国での外銀の相互進出の状況とその問題点を明らかにしたが、本年度では、オ-ストラリア、カナダの事情が明らかになった。いずれの国でも外銀の進出が金融自由化以前と比較して、容易となったが、その結果競争が激化し、マ-ジンおよび手数料の低化がいずれの国でもみられ、市場の効率性が高まったことがこの研究から判明した。
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