研究課題/領域番号 |
01540038
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西田 吾郎 京都大学, 理学部, 助教授 (00027377)
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研究分担者 |
塚本 千秋 京都大学, 理学部, 助手 (80155340)
入江 幸右衛門 京都大学, 理学部, 助手 (40151691)
河野 明 京都大学, 理学部, 講師 (00093237)
足立 正久 京都大学, 理学部, 助教授 (50025285)
戸田 宏 京都大学, 理学部, 教授 (60025236)
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キーワード | 楕円コホモロジ-論 / 形式群 / モジュラ-形式 / ヘッケ作用素 / 一般コホモロジ-論 / K-理論 |
研究概要 |
本研究の中心課題である楕円コホモロジ-論については、次のような成果が得られた。楕円コホモロジ-論は、元来 楕円曲線の形式群に付随して得られる一般コホモロジ-論であり、モジュラ-形式のなす環がその係数環となる。モジュラ-形式とトポロジ-のこの関係は、アイヒラ-と志村の理論を用いて、より具体的にモジュラ-形式の空間をある位相空間のコホモロジ-群として与えることができる。この対応を用いて、モジュラ-形式のヘッケ作用素も位相的に定義できる。特に標数Pに還元すると、スティ-ンロッド作用素のようにホモトピ-論的によく知られた作用素と関係付けられ、ヘッケ作用素のトレ-ス等について新しい情報が得られた。 次に、古典的K-理論と群の表現論の間には密接な関係のあることがよく知られている。楕円コホモロジ-やモラバのK-理論に対しても、対応する新しい群の表現論を定式化することが、これらの理論を多面的に理解するために重要である。これらのK-理論の中で基本的なものとして、モラバのK-理論を表現論的に研究することが現在進行中の課題である。 楕円コホモロジ-論の問題点は、その定義があまりに技術的すぎる点であり、これは理論の本質的理解が不十分なためと思われる。今後の目標としては、さしあたり上に述べた表現論との関係を用いてより自然な定式化を見い出すことであると思われる。
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