研究分担者 |
原田 雅名 京都大学, 理学部, 助手 (80181022)
入江 幸右衛門 京都大学, 理学部, 助手 (40151691)
河野 明 京都大学, 理学部, 講師 (00093237)
丸山 正樹 京都大学, 理学部, 教授 (50025459)
戸田 宏 京都大学, 理学部, 教授 (60025236)
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研究概要 |
西田は昨年度においては,楕円コホモロジ-論と保型形式の理論のホモトピ-論的研究を行い,保型形式のなす環とある種の空間の実系数コホモロジ-環との関係を調べ,これを用いて球面の安定ホモトピ-群から保型形式のヘツケ作用素の余不変式への対応を定義した。本年度は,これらの結果を標数Pの素体上で考察した。その結果として,1つには保型形式におけるヘツケ作用素のトレ-ス公式が,Pを法とするとき上記の空間のmodPコホモロジ-群のスティンロッド作用素を用いて記述できることが示された。一方,セ-ルによって定義されたP進保形式の理論は,代数的トポロジ-の視点からは,保型形式あるいは楕円コホモロジ-論をKー理論を用いて記述することに対応する。西田はmodPKー理論による局所化を用いて,上記の空間のPー進化を定義し,さらにこのPー進化された空間の安定ホモトピ-群が,モジュラ-群のホモロジ-によって記述されることを示した。このPー進ホモトピ-群とPー進保型形式の群とが実際に同型か,つまり,アイヒラ-と志村の定理のある種のPー進化が成立するかどうかは今後の重要な課題である。 河野は無限次元リ-群,特にコンパクトリ-群上の自由ル-プ群の位相的研究を行ない,いくつかの場合,そのコホモロジ-群の決定を行った。また,球面上のSU(2)東のゲ-ジ群に対し,そのホモトピ-型による分類に成功した。 入江は球面のホモトピ-群の元において,ホワイトヘッド積が2つの元の合成として表されるための条件を決定した。これは古典的なホップ不変量の問題の拡張として注目される結果である。
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