研究課題
研究計画に従って、研究代表者および研究分担者が研究を進めた結果、得られた成果を、進行中のものを含めて報告する。1.複素多様体の分岐被覆の理論は、代数学、幾何学、解析学等、数学の諸分野の交差点位置し、この研究のためには、各分野からの多角的、総合的手法を要する。研究代表者等は、分岐被覆の存在、具体的構成、分岐因子、同値類全体の集合の類体論的記述、等に関する基礎理論を樹立した。これは、複素多様体を射影多様体とすれば、多変数代数関数体の拡大理論に他ならず、また一方の対極をとって、有限固有正則写像の芽とみなすと、正規特異点の一理論ともみなしうる。この理論の一応用として、モノドロミ-有限の一般フックス型パッフ系(連立微分方程式系)の構成が可能になった。2.分岐被覆の理論を代数的立場から見ると、これは、群論、表現論、不変式論、組合せ論的代数学、類体論、等と関連する。代数学的側面からの分担者等は、これらの研究を通じて、研究課題に大いに貢献した。3.分岐被覆の理論を幾何学的立場から見ると、これは、基本群、組紐群等の位相幾何学、普遍分岐被覆の微分幾何学と関連する。幾何学的側面からの分担者等は、これらの研究を通じて、研究課題に貢献した。4.分岐被覆の理論を解析的立場から見ると、多変数関数論、調和積分論、偏微分方程式、フックス型微分方程式等が関連している。解析学的側面からの分担者等は、これらの研究を通じて、研究課題に寄与した。
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