研究課題
1.本年度に行われた何回かのシンポジウム、研究集会を通じて、超越数論の研究発表、情報交換、交流および資料収集をはかった。特に平成元年6月に京都大学で行われたシンポジウムでは、超越数論に関連深い次のような講演が行われた:(1)平田典子(奈良女子大):対数の1次式の評価。(2)西岡久美子(奈良女子大):マ-ラ-関数へのネステレンコの方法の応用(3)原瀬巍(東工大):形式的巾級数環の中の代数的元。(4)豊田雅孝(学習院大):S数、T数とリュ-ヴィル数。(5)天羽雅昭(東北大):マ-ラ-の方法の応用。2.さらに、平成2年1月に、学習院大学で、本年度の科学研究費補助金を運営費用として、第3回超越数論研究集会が行われた。6年前に第2回の会を行って以来、内外の超越数論研究は著しい発展を遂げていて、それを反映して次のような分野に関する講演および討論があり、非常に有益な結果が得られた:(1)一般的なマ-ラ-関数の性質。(2)パデ近似と有理近似、コンピュ-タ-の応用。(3)代数群上の1次形式、特に楕円曲線論への応用。(4)S数、T数、L数の相互関係。3.上記の研究集会について、その報告集を出し、これに超越数論の文献集をつけ加えた。これは各種の問題に関連した文献を応し収集した結果その数は370編に達し、将来の研究の促進に役立つものであり、今年度における研究資料の調査・収集の結果である。
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