研究課題/領域番号 |
01540078
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
井川 俊彦 日本大学, 医学部・数学教室, 助教授 (30151252)
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研究分担者 |
宇田川 誠一 日本大学, 医学部・数学教室, 講師 (70193878)
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キーワード | plariharmonic map / holomorphic map / complex manifold / complex Grassmann manifold / explicit construction / positive first Chern class |
研究概要 |
初年度ではコンパクト複素多様体からコンパクト型の既約エルミ-ト対称空間への多重調和写像の安定性及び正則性が詳しく調べられ、結果として正則でも反正則でもない多重調和写像の例が発見された。ここで領域がリ-マン面のときは多重調和写像の概念は調和写像の概念に一致することを注意しておく。一方領域がコンパクトリ-マン球で値域が複素グラスマン多様体のときには、調和写像はある正則写像から構成されることがイ-ルス学脈やチャ-ンとウォル-リンにより得られていた。そこで我々は領域がコンパクト複素多様体で第1チャ-ン類が正のときにすべての多重調和写像はある正則写像から構成されるであろうと予想しその証明を試てきた。いま値域を複素グラスマン多様体G_k(〓^n)とするとき、k=1のとき、すなわち(n=1)次元複素射影空間のとき、k=2.3でn≦12のときは初年度の終わり項にできていた。当該年度はk=2でnが任意、k=3でn≦14、k=4でn≦15なるときにアイソトロピックでない多重調和写像はすべて、よりランクが低い複素グラスマン多様体への正則写像から構成されることが分った。例えばG_2(〓^n)への多重調和写像でアイソトロピックでないものはすべてCP^<nー1>へのある正則写像から構成される。ここでアイソトロピックの場合はより易しくして、ある正則写像から一意的に構成されることがすぐにわかる。ただしこの場にはどの複素グラスマン多様体への正則写像から構成されるかは分らない。値域がコンパクトリ-マン球のときには、同じランクの複素多様体への正則写像から構成されることになる。最後に値域がCP^<nー1>のときは必然的にアイソトロピックになることを注意しておく。
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