研究概要 |
アダマ-ルト-ナメントHTの存在問題の肯定的解決はただちにアダマ-ル行列の存在問題の解決になる。HTの存在問題については前報告(課題番号62540073)で,HTのパラメ-タをυ=4λ+3,κ=2λ+1とするとき、λが偶数のときに限られること,GF(2)上υ次の直交行列群Ω_υ(2)の中の位数3の元で,そのスペクトラムが(1^^1κ^^ωκ^^<ω^2>),ωはGF(4)の原始元,というものの作る共役類Cの話であること,さらにΩ_υ(2)の行列で,各行のハミング重みが4を法として1に合同になるものは,指数2^<κー1>(2^κー1)の部分群H(υ)を作り,H(υ)へCは偶ラウンドロビント-ナメント全部の集合と見〓されることが解明されていた。今報告の成果としては,まずH(υ)へCの中に常に正則ト-ナメントが存在することが示された。さらに巡回偶ト-ナメントが存在するための必要充分条件はυ〓1(mod8)ならυの各素因数βについて2の位数が奇数であることであり,υ〓3(mod8)ならそれが半偶数(偶数であるが4の倍数でない)であることが証明された。前者のときには,各語のハミング重みが4の倍数である巡回符号との関連も解明された。また巡回ト-ナメントの自己同型群についてはその最大位数のものを決定した。さらにト-ナメントの自己同型群についてはその最大位数のものについてのALSPACHーBERGGRENの結果を改良した。近3重対称デザインについては,アダマ-ルデザインのときのCAMERONの結果に,より初等的な証明を発見し,またデザインパラメタυ,κ,λがυ=4(κ-λ)を満足するとき3ーブロック交差数が決定されること,またそのその様な近3重対称デザインが存在することも示した。さらにυ=4(κ-λ)+1のとき近3重対称デザインは存在しないことを示した。
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