研究分担者 |
菅谷 孝 富山大学, 理学部, 助教授 (70018985)
渡辺 義之 富山大学, 理学部, 教授 (50018991)
風巻 紀彦 富山大学, 理学部, 教授 (50004396)
阿部 幸隆 富山大学, 理学部, 助手 (80167949)
東川 和夫 富山大学, 理学部, 助教授 (20018998)
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研究概要 |
一変数の複素力学系の研究が最近多くの成果をあげたのに刺激され,二変数の複素力学系の試みを私(研究代表者)は始めた。それ以前にはn次元複素ユ-クリッド空間C^n内の凸領域の正則自己写像の反復極限について研究していたのでC^n全体での正則自己写像の力学系への移行も自然であった。 一変数の複素力学系については多くの研究があり1980年代に入ってからはコンピュ-タ-グラフィックスの発展によりジュリア集合が典型的なフラクタル図形として図示できるようになったが二変数の場合は論文は数少なく古くはBieberbachとJuliaの研究(1920年代)その後は1964年の西野・吉岡氏の研究,最近では木村氏のHe^^′non写像の研究がある。 私はこれらの研究をたどりつつ多変数関数論的見地からの研究をすすめた。つまりC^nの解析的自己同型Fの吸引領域=Fatou-Bieberbach領域ということからこのC^n双正則同値だがC^n内の開集合を含まない領域の関数論的性質とその形状,分布を調べることを目的とした。又C^nの解析的自己同型群Aut(C^n)の構造をも知りたいと思っている。現在はAut(C^n)のうちの多項式変換のなす部分群について,上記の考察を進めている。そのさい一般He^^′non写像が研究の中心となっている。 その他,Smaleの微分力学系的な見地からの研究には渡辺氏,エルゴ-ト理論的な考察については風巻氏に協力してもらった。
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