研究課題/領域番号 |
01540125
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浅野 潔 京都大学, 教養部, 教授 (90026774)
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研究分担者 |
笠原 皓司 京都大学, 教養部, 教授 (70026748)
河野 敬雄 京都大学, 教養部, 教授 (90028134)
宇敷 重広 京都大学, 教養部, 助教授 (10093197)
上田 哲生 京都大学, 教養部, 助教授 (10127053)
森本 芳則 京都大学, 教養部, 助教授 (30115646)
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キーワード | 楕円性 / 複素力学系 / 安定多様体 / ア-ノルドの舌 / 燕の尾 / ストレンジ・アトラクタ / 分布の裾の評価 / ボルツマン方程式 |
研究概要 |
本研究は、非線形現象に関連する数学の諸理論を取り扱っている。研究成果は多岐にわたっているが、その主なものについて報告する。 1、森本は、無限次で退化する楕円型偏微分作用素の準楕円性について精密な研究を行った「1」。2,上田は、複素2次元の力学系において、不動点に連結する安定多様体の性質を解明した。「2」3,宇敷は、複数1次元の力学系において、「ア-ノルドの舌」及び「燕の尾」と呼ばれる特異性に関連した長大な数値実験を行い、興味深い結果を得た。「3」。また、実3次元空間における比較的簡単な力学系ー区分線形ベクトル場によって生成される力学系ーの中に現れる、ストレンジアトラクタの構造を、数値実験によって調べた。「4」。4,河野は定常性を仮定しない場合の、正規確率過程について研究し、道の最大値の分布について、その裾のオ-ダ-の、上からの精密な評価を得た「5」。5,浅野は、流体の準微視的研究に現れるボルツマン方程式とヴラソフ マクスウェル方程式、および巨視的立場による流体力学に現れるオイラ-方程式とナヴィエスト-クス方程式の解について、種々の漸近的性質を述べた総合報告を発表した。「6」。これは改善された取扱い法によるものであり、新しい結果も含んでいる。 以上のように、これらの研究は、種々の非線形現象に関連する数学の諸理論を広展させる上で、重要なステップをなすものとかんがえられるが、なお継続的な努力によって、一層の進展が図られるべきである。
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