研究課題/領域番号 |
01540129
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田邊 廣城 大阪大学, 理学部, 教授 (70028083)
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研究分担者 |
磯崎 洋 大阪大学, 理学部, 講師 (90111913)
辻下 徹 大阪大学, 理学部, 助教授 (10107063)
山本 芳彦 大阪大学, 理学部, 教授 (90028184)
渡辺 毅 大阪大学, 理学部, 教授 (50028081)
井川 満 大阪大学, 理学部, 教授 (80028191)
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キーワード | 時間遅れ / 基本解 / 解半群 / 安定化 / 構造作用素 / 離散固有値 / 究極的ノルム連続 |
研究概要 |
時間遅れを含む関数微分方程式d/(dt)u(t)=A_0u(t)+A_1u(t-h)+∫^0_<-h>a(s)A_2u(t+s)as+φ(t)の基本解は2年前に構成したが、それが更に共役方程式を満足することを明らかにした。これにより解の一意性の証明が容易になった。 次に離散遅れがない場合、即ちA_1=0の場合、解の安定化に関し最近イタリアのG.ダプラトとA.ルナルディがヴォルテラ型積分微分方程式に関し得たものと同様な結果が成立することがわかった。即ちθ(t)=θf(t)の形の場合、解半群の生成素のスペクトルの右半平面の部分は有限個の離散固有値のみから成り、その他の部分の実部の上限は負であるとする。その時任意の初期値に対してf(t)を適当なL^2関数ととると解も同様であるための必要十分条件が、元の方程式の共役方程式の解半群の生成素の一般化された固有空間、構造作用素、φの共役作用素を用いて表現できるというものである。ダプラト・ルナルディの場合と異なるのは解半群の負のスペクトルの部分の指数関数的減少が明らかでないことである。このために離散遅れの項がないと仮定し、a(・)がヘルダ-連続ならば基本解は(h,∞)で作用素のノルムでヘルダ-連続、このことから解半群が(3h,∞)で同様の意味で連続、従って特に究極的ノルム連続となり、所要の指数関数的減少が得られる。離散遅れがあるならば解半群は究極的・負のスペクトルの部分が指数関数的に減少するか否かを究明することは今後の問題である。
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