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1989 年度 実績報告書

数理生態モデルのパ-システンス解析

研究課題

研究課題/領域番号 01540177
研究機関静岡大学

研究代表者

竹内 康博  静岡大学, 工学部, 助教授 (20126783)

キーワード数理生態学 / 生態モデル / パ-システンス / 微分方程式 / 安定性
研究概要

本研究の目的は、常微分方程式で記述される数理生態モデルがパ-システンスとなる条件を調べることである。新たに得られた主な知見は以下のとおりである。
1.2種競争系はcoexistence,dominance,bistabilityという3つの典型的なダイナミクスを持つことが知られており、従来そのような系をパ-システンスとするためには捕食者を加えたモデルが解析されてきた。本研究では、系に他の生物種を加えるのではなく、系を2つのサブシステム(パッチ)に分割し、パッチ間の生物の移動能力を調節することにより系全体をパ-システンスとすることができることが示された。
2.2つのパッチがともにbistableである場合、生物の移動能力の調節により系をパ-システンスとするためには、2つのパッチが異なるパッチ内構造を持つ必要があることが1で明らかにされた。これは系全体では実質的に4種系を考察したことになり、捕食者を2種加えた従来の系のパ-システンス化と同じレベルである。従って、次に系が2つのパッチで構成され、一方は2種競争系、他方は1種系であると仮定した。2種系がbistableであっても系全体をパ-システンスとすることが可能であることを示し、そのための条件を求めた。
今後の研究の展開に関しては、以下のとおりである。3種競争系は2種系では現れないHeteroclinic cycleを持つ場合があり、このcycleの下極限は0であるのでパ-システンスではない。平成元年度と同様に系を2つのパッチに分割し、系全体をパ-システンスとするための条件を求める。この課題は、最近話題になっている魚種交代現象(沿岸漁業の主役がマイワシ→サンマ→サバ→マイワシ...と交代すること)と関連している。系全体がパ-システンスな周期解または、カオス的なダイナミクスを持つための条件を明らかにしなければならない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Takeuchi: "Diffusion-mediated persistence in two species competition Lotka-Volterra model" Mathematical Biosciences. 95. 65-83 (1989)

  • [文献書誌] Y.Takeuchi: "Confict between the need to forage and the need to avoid compition:persistence of two species model." Mathematical Biosciences. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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