研究課題/領域番号 |
01540181
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲垣 宣生 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10000184)
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研究分担者 |
吉田 朋広 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90210707)
磯貝 恭史 大阪大学, 教養部, 助教授 (00109860)
早川 款達郎 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (10028201)
白旗 慎吾 大阪大学, 教養部, 教授 (10037294)
石井 恵一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (80029420)
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キーワード | 確率過程の母数モデル / 自己修正点過程 / 単純自己修正点過程 / 拡散過程 / ロバスト推測 / ノンパラメトリック推測 / 最尤推程量 / 尤度解析 |
研究概要 |
1.研究目的:統計推測理論における推定量・検定量の分布法則などの数学的構造を漸近理論によって解明することが目的である。特に最近着目されている確率過程の母数モデルの推測問題における漸近的構造を研究することが目的である。 2.研究計画(1)稲垣・石井・吉田は確率過程の母数モデルにおける統計的推測理論の研究を行う。特に、稲垣は自己修正点過程における最大推定量の漸近的性質を研究し、また吉田は確率過程におけるロバスト推測について研究する。(2)稲垣・松尾は一般線形回帰問題における連結関数と擬似尤度の役割を研究する。また、具体的なロジットモデルやプロビットモデルなどで漸近解析を行い、その実行性や整合性について数値実験を行う。(3)白旗・磯貝はノンパラメトリック法と多変量解析法の分野で漸近的方法の研究を行い、その有効性をシミュレ-ション実験によって研究する。(4)石井・早川は漸近理論の数学的基礎研究を行う。 3.研究成果:(1)稲垣は単純自己修正点過程を導入し、そのときの母数の最尤推定量が明示的に求まり、また、そのフィッシャ-情報量や漸近分布が具体的に求まることを示した。そのことから、この単純自己修正点過程が点過程の統計推測の例題として非常に教育的であることを指摘した。(2)白旗はノンパラメトリック解析法の統計プログラムを作成し計算機実験によってその実効性を比較した。磯貝は多変量正規分布をモ-メントによって判定する方法を研究した。(3)吉田は強度関数が周期関数であるような点過程のロバスト推定を考察し、独立同一分布に対するロバスト推定と同様な結果が得られることを示した。 4.研究の考察と反省:確率過程の母数モデルは近年非常に多様になっているが、本研究で取り扱ったものはまだ一部分に過ぎないので、統計推測理論の数学的構造研究の観点からそれらを研究する必要がある。
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