研究分担者 |
谷口 正信 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00116625)
白旗 慎吾 大阪大学, 教養部, 教授 (10037294)
伊達 悦朗 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (00107062)
福島 正俊 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90015503)
石井 恵一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (80029420)
|
研究概要 |
1.研究目的:統計推測理論において,パラメトリックモデルについては尤度関数の策近的挙動によって推定量・検定量の数学的構造を解明することが研究目的であり,特に最近着目されている確率過程の母数モデルの漸近的構造を研究する.ノンパラメトリックモデルについては経験分布関数の汎関数として記述し,その漸近的性質を研究する. 2.研究計画:(1)稲垣はパラメトリックモデルの尤度関数の可微分性と漸近展開との関係を解明する.特に確率過程の母数モデルに統計的推測理論の研究を行う.(2)稲垣・松尾はパラメトリックモデルとして実用上重要な一般線形回帰モデルの連結関数と疑似尤度の役割を研究する.(3)白旗はノンパラメトリックモデルの分野で漸近的方法の研究を行い,その実行性をシミュレ-ション実験によって調べる.(4)谷口は時系列解析の分野で最近問題にされているロバストネスについて研究する.(5)石井・福島・伊達は漸近理論の数学的基礎研究を行う. 3.研究成果:(1)稲垣は図書「数理統計学」を著し,尤度解析の節を設け推定や検定のおける尤度関数の役割を指摘した.また,我々がはじめて導入した単純自己修正点過程をさらに多水準化し,そのとき母数の推測について論じ数学会で発表した.(2)松尾は一般化線形モデルの連結関数と疑似尤度の役割を研究し,論文として発表した.(3)白旗は多次元のノンパラメトリック問題において多次元経験分布関数の収束について研究し論文として投稿した.(4)谷口は最近問題になっている時系列におけるロバストな手法について研究し論文として投稿した.(5)福島・伊達は漸近理論の数学的基礎に関しての研究を論文として発表した. 4.研究の考察と反省:確率過程の母数モデルは近年ますますその有用性が高まり,本研究も統計推測理論の数学的構造の研究を刺激する役割をはたしたと思う.今後は実証的な研究を考慮して行く必要がある.
|