研究課題/領域番号 |
01540189
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
小倉 幸雄 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00037847)
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研究分担者 |
上野 一男 佐賀大学, 教養部, 助教授 (10193822)
杉田 洋 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (50192125)
久保 雅弘 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80205129)
古庄 康浩 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00039281)
三苫 至 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (40112289)
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キーワード | 多様体 / 拡散過程 / 半群の収束定理 / ディリクレ形式 / スペクトル / 歪直積拡散過程 / ウィナ-空間 / 核型空間 |
研究概要 |
直径と曲率と次元が有界で、体積が下から正の数で抑えられているリ-マン多様体の集合は、リィップシッツ距離とハウスドルフ距離による位相で、距離空間全体の集合の中で相対コムパクトになっているが、このとき、これらの多様体上のブラウン運動の系列も、適当な空間の上の拡散過程として実現出来、その上の連続関数の空間の測度としてタイトであることが解った。次に、体積についての条件を外すと、多様体が崩壊する場合を許すことになり種々の興味ある現象が起こる。極限の空間はもはやリ-マン多様体とは限らないが、グロモフや深谷は、各多様体の正規直交標構束をとると極限も多様体となり、それらを直交群で割ることにより、目的とする空間の構造を解明するという手法により大きな成果を得ている。これを、そのまま拡散過程の収束の理論に適用するのは困難であるが、収束する多様体の正規直交標構束が同相の場合は、以下の解析が出来ることが解った。同相な場合は、一つの多様体の上の計量の系列に距離を入れることに帰着出来、それと測度の系列を対にするとディリクレ形式が定義出来、半群と拡散過程が対応する。このとき、計量と測度の系列がある意味で有界ならば、これらに対応する半群の系列が、二乗可積分の空間の強位相で相対コムパクトであることが解った。次に、このことを用いて、計量と測度が収束し、更に極限の計量の退化の構造が比較的簡単ならば、対応する半群が収束することも解った。対応する拡散過程については、連続関数の上の測度としての弱収束はしないが、有限次元分布の収束はすることが解った。また、固有値と固有関数の収束についての結果も言える。応用例としては、直積多様体の一方が退化する場合や、歪直積拡散過程についての極限定理などがある。更にこれらの結果は、パパニコラウ・ストゥル-ク・ヴァラダンによるドライヴ・ドリヴン過程理論の簡単な場合の多様体への拡張にもなっている。
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