研究課題
代表者山口昌哉は、従来京都大学存在中に畑政義、木上淳と協力して研究して来た。微分不可能(到るところ)な連続関数の解析学およびフラクタル上の解析学の建設を進めて来た。本年度は山口が、区間上の連続関数の展開について、従来用いて来たシャウダ-展開について新しい方法を提案し、東京大学理学部紀要sev.IA36巻に報告した。この方法は、シャウダ-展開では、区分的1次関数を展開の基準関数として用いたものを、2次関数またはその拡張である、高木貞治氏の関数を用いて展開するというものである。驚くべきことは、このように新しい関数を用いても、連続関数をこれで展開したときの係数は、もとの関数の3階の差分式であたえられるということである。その研究以外に、山口は、このような研究が、応用面でどうゆう意味をもつかを、検討するため材料疲労の研究者龍谷大学中村宏教授、広島電機大学川崎正教授と研究連絡を重ねた。尚、押目頼昌(和歌山大学経済短期大学部)は、シャウダ-展開そのものについて、実関数論的な研究をおこない、結果を得た(未印刷)。木上淳(神戸大学)は、一般なPost Critically Finiteなフラクタル上にラブラス作用素を定義することに成功した。池田勉は、反応拡散系から導出されるものを足掛りとして、いわゆる平均曲率がからんでくる自由境界問題に有する数値計算法を研究し、一定の成果を得た。岡田至弘は、Peano曲線を用いた画像表現法を研究し、実世界の画像パタ-ンに、Peano曲線を対応させることで、極めて高い情報圧縮率を得ると共に、可逆的な原画像復元を行うことに成功した。
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