今年度はスペックル分光カメラの改善を行ない、岡山天体物理観測所188cm望遠鏡で2回観測を行なった。 岡山での第1回目の観測は、1989年10月6日から10日迄行なった。しかし、天候が悪く有効なデ-タが取れたのは、10月8日の前半夜のみであった。この観測には、30°プリズムを分散素子として使用し、像拡大率は10倍とした。ICCD-TVカメラで撮像された像は、SVHSビデオテ-プに記録された。このテ-プから再生された像は、フレ-ムメモリ-を介してワ-クステ-ション上のメモリ-に記録される。デ-タ解析には、約100フレ-ム使った。デ-タ解析の過程で、スペックル像のワンダリングが大きいと、像加算のときに、シフト量の補正を行なわなければならないことがわかった。また、白色光スペックル像と分散スペックル像を同時に同一画面に記録する場合には、結像倍率を下げ、より高分散のプリズムを使用した方が良いとの結論に達した。 上述の問題点を軽減するために、スペックル分光カメラを改善することにした。まず、望遠鏡焦点側のコリメ-タ-レンズに焦点距離35mmの写真レンズを使うこと、また分散プリズムを60°のものとし、これに対応すべくミラ-位置をずらすことを行なった。 第2回目の観測は、1990年2月7日から13日まで行なわれた。しかし、今回も、比較的良好なデ-タが取れたのは、2月9日の前半夜のみであった。現在第2回目の観測デ-タ解析を行なっている。来年度は、デ-タ解析のためのソフト開発を主に行なう予定である。
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