研究概要 |
1.星が爆発にいたるまでHR図上でどのように進化するかを,初期の質量,質量放出率,外層の重元素量と物質混合の程度をパラメ-タにして系統的に計算し,SN1987Aの場合のように青色超巨星で爆発する条件を求めた。物質混合がどの段階でどの程度の規模で起こることが必要か,どの機構がそれを可能にするかを明らかにした。 2.1で得られたモデルをもとにして,超新星爆発の流体力学的計算と衝撃波に伴う爆発的元素合成の計算をおこなった。とくに爆発的元素合成による化学組成が,爆発前の星の進化にどのように依存しているかを詳しく計算し,赤外線観測との比較のための予測値を与えた。 3.2の爆発モデルをもとに,^<57>Coの崩壊に起因するγ線の強度を計算し,気球観測の予測値を求めた。 4.可視光やX線,γ線のモデルから示唆されているような爆発中の物質混合が実際に起こるかどうかを,二次元の流体力学的計算によって明らかにした。計算された物質分布と観測情報とから,物質の混合の仕方,固まりのでき方の流体力学理論の妥当性を明らかにした。 5.膨張していくガスの温度が十分低くなれば,ダストが形成され得る。X線やγ線の存在下でのダスト形成の可能性を調べた。ダストの赤外放射を推定し,観測との良い一致を得た。 6.パルタ-からの放射がダスト層によってどのように散乱吸収されるかを計算し,「ぎんが」によるX線観測が1年程のちに可能であることを示した。
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