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1989 年度 実績報告書

炭素質星周塵の輻射機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 01540217
研究機関電気通信大学

研究代表者

坂田 朗  電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (90017393)

研究分担者 和田 節子  電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (30017404)
キーワード赤外スペクトル / 赤外線発光 / 炭素質物質 / 惑星状星雲 / 星周塵
研究概要

本年度は、2年にわたる本研究の初年度にあたり、装置製作および予備実験を行い、良好な結果を得た。
紫外線照射下での急冷炭素質物質の熱変成を行うため、微量ガスの導入系(バリアブルリ-クバルブ)を装着し、フッ化カルシウム単結晶を赤外線、紫外線の透過用の窓とした反応セルを製作した。350℃まで加熱できるよに、フッ化カルシウム単結晶を金属に直接封じる必要がある。このためフッ化カルシウム単結晶をガラスフリットを用いて、金属と真空封着した。
紫外線の照射用の重水素ランプとして、真空紫外光を透過するように、フッ化マグネシウム単結晶を窓にした、いわゆるロングノ-ズ型のランプを選定した。このランプと反応容器と整合するように、ステンレス製のアダプタを設計し製作した。
微弱赤外線の検知器を選定した。3.3μm輻射の検出用として、InSb素子をヘリウム温度に冷却して使用する。この装置は京大理学部舞原研究室で開発中であり、共同研究として使用することを合意している。
急冷炭素物質を用いる本実験の予備実験として、芳香族環を持つ分子である、クリセン、パイレン、コロネンを加熱変成する実験を行った。これらの分子は500℃以上で急速に変成し、3.289μmにピ-クを示す炭素質物質に変化する。さらに、石英製の加熱セルを用いて、塩化ナトリウム結晶上に析出させた急冷炭素物質の熱変成実験を行った。この急冷炭素物質は250℃から350℃にかけてその構造を変えはじめ、500℃になると、3.295μmピ-クを示す。これらの熱変成した炭素質物質が示すピ-クは、観測でよく知られる赤外線輻射ピ-クと一致した。これらのことから、250℃〜350℃の温度にセルを保持し、3μm輻射を測定する条件が確定できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] A.Sakata,S,Wada,T.Onaka,A.T.Tokunaga:"Quenched Carbonaceous Composite(QCC):III.Comparison to the 3.29Micron Interstellar Emission Feature" Astrophys.J.,. (1990)

  • [文献書誌] A.Sakata,S.Wada,T.Onaka,and A.T.Tokunaga:"Quenched Carbonaceous Composite(QCC):Thermal Alteration of QCC and PAHs," "Dusty Objects in the Universe",ed.E.Bussoletti,(Kluwer Academic Publishers). (1990)

  • [文献書誌] A.Sakata,S.Wada:"Chemical,Optical and Infrared Properties of QCCs," "Interstellar Dust",IAU#135 Symp.,ed.L.Allamandola and A.G.G.M.Tielens,(Reidel Dordrecht),. 191-196 (1989)

  • [文献書誌] 坂田朗,和田節子: "宇宙の炭素-その生成、発展-" 炭素. 1989. 150-160 (1989)

  • [文献書誌] 坂田朗,和田節子: "炭素質の塵の観測とその合成実験" 天文月報. 82巻. 84-89 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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