1.TV方式観測システムの確立 既設の太陽分光観測装置のスペクトル像およびスリット面モニタ-Hα単色像を、それぞれCCDカメラで捕らえ、リアルタイムTV画像処理装置によりディジタル画像として、固定ディスクまたは光磁気ディスクに蓄積するシステムを完成した。これらの制御は、すべて32ビット高速パソコンを用いて行なっている。画像デ-タの取り込み精度などは、(1)画素数=512(水平)×480(垂直)、(2)光強度分解能=8ビット(256階調)、(3)時間分解能=約3秒(固定ディスク)/約6秒(光磁気ディスク)、および連続記録可能画像数=512フレ-ム(固定ディスク)/1200フレ-ム(光磁気ディスク片面当り)である。さらに、この方法で得られる2次元画像の光強度における直線性の確保をはじめ各種キャリブレ-ションを行なう方法を確立するため、従来の写真測光とも比較しながら、各種テストを行なったが、その結果CCD素子の特性の非均ー性をはじめあらゆる種類のキャリブレ-ションを高速かつ高精度で行なう方法を確立した。 2.プロミネンスおよびフレアの観測・解析 プロミネンスの時系列スペクトル観測を行い、詳細な線輪郭解析を行なうことによって、いかなる種類の振動や波動がいかなるプロミネンスのいかなる場所に存在するかを見いだすのが初期の目的であった。このため比較的静穏なタイプのプロミネンスについて時系列スペクトル観測を蓄積するとともに、たまたま太陽活動の極大期に当たっていたため、活動型プロミネンスやフレアについても積極的な観測を行った。それらの一部はすでに解析を行ない、主として速度場の時間的・場所的変動に関して興味ある結果が求められている。
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