研究課題/領域番号 |
01540227
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笹川 辰弥 東北大学, 理学部, 教授 (60004264)
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研究分担者 |
石川 壮一 東北大学, 理学部, 助手 (50184479)
澤田 達郎 奈良女子大学, 理学部, 教授 (30029566)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 三体力 / πΝΝ^ー,ρΝΝ切断質量 / ^3Hと^3Heの質量差 / 荷電非対称性 / ガモフ・テラ-行列要素 / Yスケ-リング / 偏極重陽子の放射捕獲 / ファデェラ方程式 |
研究概要 |
三体力、ク-ロンカ、陽子のひろがりの効果、荷電独立の破れ、荷電対称の破れの効果をすべて取入れてファデェフ芳程式が精密にかつ迅速に解けるコ-ドを作った。それを用いて 1.三体力としてπ、ρ中間子交換を考慮し、トリトンの結合エネルギ-を計算して8.44MeVを得た。この値は実験値に極めて近い。 2.^3Heのク-ロンエネルギ-は64.8keVであること、荷電対称の破れの効果は74keV、これに相対論的効果等を加えると、^3Hと^3Heの質量差の計算値は760±14keVとなり、実験値764keVに極めて近い値が得られた。 3.トリトンのβ崩壊に対するガモフ・テラ-行列要素の計算結果は二体力及び三体力の性質に無関係に√<3>(0.962±0.002)となることが示された。この値は実験値と一致する。 4.これらの計算を通じて、形状因子の切断質量としてΛ_<πΝΝ>=0.8GeV、Λ_<ρΝΝ>=1.3〜1.5GeVととればトリトンのいろいろな物理量の値が再現されることがわかった。 5.ρ中間子交換三体力の効果を考慮するとyスケ-リングに対する計算値は実験値と一致することが示された。 6.偏極重陽子の放射捕獲反応の偏極分解能Ayyの計算結果かラ、この反応の角分布を再現するのには三体力の考慮が不可慮が不可欠であることが示された。 7.三体系に対するメラ-の波動行列論を新に構築し、ファデエフ方程式を導いた。 まとめ:πΝΝ形状因子の切断質量の大きさがほぼ決定した。三体力の重要性に関する認識が進んだ。1、2、3は少数粒子物理学の“land mark"として長く引用されるだろうと評価されている。
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