研究概要 |
ラジウム・アイソト-プに於ける球形ー変形相転移について研究し,以前にサマリュウム・アイソト-プに対して行ったのとよく似た方法で(sdg IBMー2を用い,固定されたパラメ-タ-を持つハミルトニアンを使用する),この相転移をきれいに再現した。さらに,スピン・パリティが3^-のfボゾンを1個つけ加えて,ラジウム・アイソト-プに於ける四重極ー八重極変形の成長と,安定性について議論した。 バリウム・アイト-プを中心に,キセノンやセリウムのアイソト-プも含めて,主にガンマ不安定な領域についての,相転移とアイソト-プ・シフトの関連性についても研究した。この領域での30近いデ-タを2つのパラメ-タ-で説明できた。さらに、上述のサマリュウム・アイソト-プでの研究成果をアイソト-プ・シフトに適用して,そこでのアイソト-プ・シフトの大きなピ-クの説明にも成功した。 三軸非対称変形に関しては,ニつの大きな進展があった。一つは,従来より知られていたDavydovーFilippov(ダビドフ・フィリポフ)型の静的な三軸非対称模型と,相互作用するボゾン模型(IBM)のO(6)極限の間の論理的関係についてである。タビドフ・フィリポフ模型をIBMの枠組みの中で,再構成する事により,タビドフ・フィリポフ模型でのサイド・バンド的状態を導入し,それらによって張られるヒルベルト空間をIBMのO(6)固有状態で分類した。少数のO(6)状態で,タビドフ・フィリポフ状態が表わせたという予想とは異なる結論となった。二番目のテ-マとしては,三軸非対称性に伴う磁気的遷移の異常な増大がある。こちらは,バリウム・アイソト-プに於いて,準ガンマバンドから準基底にレドヘの遷移の内,磁気的遷移が100%近くなるものがある事を示して,非軸対称変形の大きな特徴として今後指摘していきたい。
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