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1989 年度 実績報告書

場の量子論の基礎的諸問題

研究課題

研究課題/領域番号 01540241
研究機関名古屋大学

研究代表者

大貫 義郎  名古屋大学, 理学部, 教授 (90022532)

研究分担者 森田 克貞  名古屋大学, 理学部, 助手 (60022688)
長谷部 勝也  愛知大学, 教養部, 教授 (90228461)
キーワード経路積分 / ガリレイ変換 / 自己共役性 / ランダウ・ゲージ / シュヴィンガー・ダイソン方程式 / 紫外固定点 / 確率量子化 / アノーマリ
研究概要

場の量子論は、素粒子論、物性論などにおける物質の微視的構造の研究においても最も基本的な役割を担っており、その内容は広範かつ極めて豊富である。しかし理論の基礎的な構造には未解決な点が数多く残されており、多面的な検討が必要とされている。これらに関し当該年度においては、本補助金の助成により11編の論文が作られた。(以下の論文番号は本報告第11項の研究発表欄における記載順に示す。)
論文1)では、フェルミ量子化における経路積分のボゴリゥボフ変換を具体的に構築し、演算子形式におけるそれとの対応を検討したものであるが、後者と同一結果を与える前者の変換に従来の予想に反して多義性のあることが指摘された。論文2)、3)は仮想的な第5軸を時空間に設定してガリレイ変換の共変的定式化を試みるとともに、このような理論形式における場の量子化を論じたもの、また4)は懸案になっていたウィグナーの量子化における演算子の自己共役性に関し厳密証明を与え、関数解析の立場からこの理論の数学的構造の解明を試みたものである。
ゲ-ジ場の量子論においては、ベーテ・サルピーター・方程式やシュヴィンガー・ダイソン方程式を解くために積分核に近似式を用いると解にゲ-ジの依存性が現われる。論文5)はこの点を詳しく検討し、なかでもランダウ・ゲージがその性質において特別な地位を占めていることを明らかにした。また6)は漸近自由および非自由なゲ-ジ場埋論の紫外固定点の現われ方を調べ、2個のタイプが存在することをシュヴィンガー・ダイソン方程式を用いて初めて指摘したものである。
論文7)~11)は、ゲージ場の量子論に現われるアノーマリを確率量子化の方法を用いて再定式化することを試み、従来の不備を補うとともにこのようなアプローチの一貫性を追究したものである。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] M.Omote et al: "Galilean Covariance and Schrodinger Equation." Fortschr.phys.37. 933-950 (1989)

  • [文献書誌] Y.Ohnuki et al: "Self-Adjointness of the Operators in wigner's Commutation Relations."

  • [文献書誌] K.Aoki et al: "Landau Gauge Peculiarity in QED Schwinger-Dyson Equation." Prog.Theor.phys.81. 866-877 (1989)

  • [文献書誌] K.Aoki et al: "Asymptotically Free Versus Asymptotically Non-Free Gauge Theories." Prog.Theor.phys.82. 1151-1163 (1989)

  • [文献書誌] K.Morita: "Stochastic Quantization and Anomalies in Arbitrary Dimensions." Phys.Lett.B. 221. 49-54 (1989)

  • [文献書誌] K.Morita: "Note on the Anomalies from Stochastic Quantization." Prog.Theor.Phys.81. 1099-1103 (1989)

  • [文献書誌] K.Morita: "Note on the Modified Anomaly Equations of Nielsen and Schroer in Arbitrary Eeven Dimensions." Prog.Theor.Phys.82. 40-45 (1989)

  • [文献書誌] K.Morita et al: "Regularization in Minkowski Stochastic Quantization Scheme-Scalar Model and QED." Phys.Lett.B. 234. 151-157 (1990)

  • [文献書誌] K.Morita et al: "Anomalies from Stochastic Quantization and Their Path-Integral Interpretation." to be published in phys.Rev.D.

  • [文献書誌] Y.Ohnuki: "Proc.of the 3rd Int.Conf on Path Integrals from meV to MeV." World Scientific, 12 (1989)

  • [文献書誌] M.Omote et al: "Symmetry of Science III" Plenum Press, 8 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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