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1989 年度 実績報告書

高スピン巨大変形核の素励起モ-ド

研究課題

研究課題/領域番号 01540245
研究機関京都大学

研究代表者

松柳 研一  京都大学, 理学部, 助教授 (70025451)

キーワード超変形状態 / 高スピン状態 / イラスト分光学 / 巨大共鳴 / 八重極振動 / クランキング模型 / 回転バンド / 核構造
研究概要

A=152のDy原子核を典型例として長軸と短軸の比が2:1の形をした超変形状態の高速回転状態に対して、その内部構造を微視的理論の観点から「回転座標系での殻模型」で基底を作る方法により詳細に分析した。更に、この基底を用いて乱雑位相近似(RPA)による大規模数値計算を行うための数値計算プログラムを作成した。このプログラムにより、巨大変形状態の上に形成されるλ=0,1,2,3の多重極巨大共鳴励起状態に対する応答関数・強度関数を計算することが可能になった。アイソスカラ-型、アイソベクトル型の巨大共鳴はもとより、イラスト領域に現れる低振動数の多重極振動励起モ-ドの性質を理論的に予言することもこの計算プログラムを利用することによって可能となった。今年度、既に初歩的な数値計算を実行した。その結果、超変形回転バンドは空間反転対称性を破る八重極変形の方向にソフトであり、低振動数で集団性が異常に強い新しい型の八重極振動モ-ドが存在する可能性が示唆された。その新しい振動モ-ドの励起エネルギ-は超変形イラスト状態から測って約2MeVの領域になると予想される。この励起エネルギ-は巨大変形(超変形)状態と通常変形状態の間のポテンシャル障壁の高さより低い。したがって、この振動状態から超変形イラスト状態への遷移に伴うガンマ線を離散スペクトルとして実験的に観測できる可能性がある。理論的な分析の結果、このガンマ線は電気双極成分によるものと考えられ、現有のガンマ線測定器システムではその強度が弱いため測定困難であるが、2〜3年後にアメリカ及びヨ-ロッパで実現する次世代のガンマ線多重測定器システムによって充分測定可能であるとの予想に至った。次年度にかけて、この点を更に詳細に定量的に検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shoujiro Mizutori: "Octupole Vibrations Built on Superdeformed Rotational Bands" Progress of Theoretical Physics. 83. No.4(4 ) (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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