研究課題/領域番号 |
01540262
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
加藤 宏朗 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40177465)
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研究分担者 |
中川 康昭 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005944)
山田 玄彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40005848)
木戸 義勇 東北大学, 金属材料冶究所, 助教授 (10013541)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 希土類鉄永久磁石 / Nd_2 Fe_<14>B / NdーFeーB型化合物 / 強磁場 / 磁化曲線 / 結晶場 / 磁気異方性 |
研究概要 |
(1)R_2Fe_<14>B 単結晶(R=希土類元素)の強磁場磁化過程について実験的・理論的に調べることにより、スピン再配列現象や FirstーOrder Magnetization Process(FOMP)などを含む変化に富んだ磁化過程は、「Fe 副格子の強磁性を現象論的に扱い、RイオンについてはFe副格子との交換相互作用を地子場近似で、また結晶場は厳密にハミルトニアンを解く」というモデル計算によって統一的に説明できることを示した。 (2)Fe 副格子を非磁性元素 Al で希釈した混晶系 Nd_2(FeーAl)_<14>Bの単結晶試料についての実験から、FOMPの起こる磁場 H_1 が少量のAl置換によって急激に上昇することを見いだした。この H_1 の上昇は、FeをAlで置換することによってFe1個当たりの平均磁気モ-メントが減少し、Ndイオン位置における分子場の大きさが系統的に減少するという現象論的モデル計算によって定量的に再現できることがわかった。 (3)Nd 副格子の一部を非磁性イオンであるLaやYで希釈した単結晶試料についての強磁場磁化過程は、上のモデルをNdイオンの単純希釈の仮定を用いて拡張した解析によって定量的に説明できることがわかった。 (4)(Nd_<1ーx>Dy_x)_2Fe_<14>B単結晶の強磁場磁化及びスピン再配列現象などを調べた結果、FOMPの起こる磁場 H_1がxとともに急激に増加することなどの一連の実験結果が、NdーDy間の相互作用を無視し、両端組成の化合物で既に求められている諸定数を用いた単純混合モデルによって、非常によく再現されることがわかった。 (5)以上の結果から、希土類どうしの混晶系(RーR´)_2Fe_<14>BについてはRーR´相互作用を無視した単純混合モデルによるシミュレ-ションによって、その磁性を高い精度で予知できることが明らかになった。その一例として実際に我々は、(ErーTb)_2Fe_<14>B系において重希土類系としてははじめてのFOMPを予測し、実験的にも確認した。
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