本研究の目的は1次元鎖状水素結合を有するホルムアミド、エタノ-ル、等の分子性結晶でのソリトンの存在を検証するために、高圧力下の光散乱を導入し、ビブロンと音響フォノンとの非線型的結合を観測しようとするものである。 1.高圧力発生用ダイヤモンドセル(DAC)を低温下で使用可能とし、ラマンおよびブリルアン散乱が測定可能な光学配置をクライオスタット中で実現した。冷却は熱伝導によるものである。 2.上述のDACとトクライオスタットは、ごく最近完成したので(非常に工夫を要した)、その間室温でのホルムアミドとエタノ-ルの高圧力下のラマン散乱を測定した。その結果は、裏面の研究発表蘭に記したように、公表そして投稿中である。しかし、室温での測定のみでは、ソリトンの検証は確実でなく、現在完成した低温用セルを用いて追加測定中であり、その結果が待たれる状況である。 3.今後、本研究により確立された実験方法により、さらに研究をすすめ、1次元鎖状水素結合系結晶でのソリトンの存在を確証したい。
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