研究概要 |
1)ErーY合金の内、Er_<0.8>Y_<0.2>合金についてH=40kOeまでの高磁場下中性子回折の実験を行った。H//cー軸の条件で(110)±の磁場依存性をT=4.2Kで測定した。その結果、H=7kOeでcycloidal→cー軸強磁性の転移を見いだした。また、磁気波動ベクトルの磁場依存性はなかった。(1990年度Risφ報告書に公表) 2)KURに設置した超伝導磁石を利用した高磁場中性子回折システムの特性を確定し報告した。(Ann.Rep.R.R.I.K.U.,(1990)に公表) 3)イジングスピン系と考えられるTbRu_2Si_2の高磁場下中性子回折の測定を行い、T=4.2K、H=20〜30kOeにおいてメタ磁性的な相転移のあることを確認した。また、H=33kOeでは全モ-メントが磁場方向を向く強磁性になることを明らかにした。(Ann.Rep.R.R.I.K.U.,(1990)に公表) 4)イジングスピン系と考えられるDyRu_2Si_2の高磁場下中性子回折の測定を行い、T=4.2K、H=11kOeにおいてメタ磁性的相転移を示し、H=17kOeでは磁場方向に全モ-メントが揃う強磁性になることを明らかにした。(第25回京大原子炉学術講演会にて公表) 5)二次元三角格子スピン系RbMnBr_3について、高磁場下中性子回折の測定を行った。その結果、T=4.2K、無磁場ではimcommensurate成分を持つ三角格子スピン構造が高磁場では、imcommensurateを示す120°からのずれが、急激に大きくなることを見いだした。また、磁場中でspinーflop相が現われることを示し,この化合物の大ざっぱな磁気状態図を推定した(Ann.Rep.R.R.I.K.U.,(1990)に公表)
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