研究課題/領域番号 |
01540296
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三宅 和正 名古屋大学, 教養部, 助教授 (90109265)
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研究分担者 |
平島 大 名古屋大学, 理学部, 助手 (20208820)
松浦 民房 名古屋大学, 理学部, 助教授 (10022609)
佐野 和博 三重大学, 教育学部, 助教授 (40201537)
柏村 昌平 名古屋大学, 教養部, 教授 (80023563)
山田 一雄 名古屋大学, 教養部, 教授 (10022542)
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キーワード | 強相関電子系 / 重い電子系 / ク-パ-対とボ-ス凝縮 / 異方的超伝導 / フェルミ液体 / ハバ-ドモデル / フラストレ-ション / 高温超伝導 |
研究概要 |
強相関電子系のノ-マル状態で見られる電気抵抗の温度依存性と比熱のそれとの間に強相関系に特有なユニバ-サルな関係があることを簡明に説明する現象論を展開し、重い電子系、A15、C15、金属絶縁体転移を示すV_2O_3などが同じユニバ-サルな組に属することを示した。強相関電子系の特徴である局存性と遍歴性の二重性を取り込んだ量子力学的現象論であるdualityモデルの基礎付けに関する研究を行い、厳密な結果が確立している-不純物アンダ-ソンモデルの場合にそれらの結果がdualityモデルから再現できることを示した。また、dualityモデルに基いて重い電子系の観測されているメタ磁性の系統的な性質、極端に弱い反強磁性秩序が理解できることを示した。フェルミ粒子系の引力相互作用の強さを変化させるとき、ク-パ-対凝縮と「2電子分子」のボ-ス凝縮の間のクロスオ-バ-を論じる際、従来の理論では考慮されていないフェルミ粒子対同志の斥力相互作用の効果が重要であることを指摘した。強い相関をもつフェルミ粒子系の一つの極限としての量子スピン系について、2次元正方格子上でフラストレ-ションがある有限系の数値的対角化の手法により研究し、フストレ-ションの効果はそれがないときに存在する磁気的長距離秩序を壊すことはなくスピン波のようなギャップレスな励起な存在することを示した。通常のフォノンを媒介とする引力に起因する超伝導機構は、局所的斥力の効果が重要な強相関電子系(銅酸化物、重い電子系)では実現しないと考えられる。逆にこの場合は2つの超伝導転移が起る可能性がある。第2の転移より低温では一般に異なる対称性をもつ秩序変数が共存する超伝導状態であって、その兆候が見える銅酸化物超伝導体との関連で、第2の転移か様々な熱力学量にどのよう影響を与えるか調べた。
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