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1989 年度 実績報告書

現実の物質におけるエルゴ-ド・非エルゴ-ド的転移現象

研究課題

研究課題/領域番号 01540298
研究機関筑波大学

研究代表者

高山 一  筑波大学, 物理学系, 教授 (40091475)

研究分担者 根本 幸児  筑波大学, 物理学系, 助手 (60202248)
キーワードスピングラス / ナィ-ブ平均場模型 / 自由エネルギ-の多谷構造 / 状態間重なりの確立分布関数 / スピングラス・強磁性転移
研究概要

1.スビングラスSK模型の状態(TAP)方程式からオンサガ-場項を除いたものがナィ-ブ平均場方程式と呼ばれる。この方程式の多重解(準安定状態)の個数を具体的に評価し、また、スピングラス磁化率の解析から解のマ-ジナル安定性を示した。この結果は、ナィ-ブ平均場模型もSK模型と同様のスピングラス特性、特に、エルゴ-ド・非エルゴ-ド相転移を伴うこと、をもつことを意味する。
ナィ-ブ平均場模型はSK模型に比べて数学的取扱いがかなり容易であることに着目して、SK模型で詳しい解析が十分できない有限温度における自由エネルギ-の多谷構造の解析を現在進めており、準安定状態の位相空間における統計力学的振舞い(状態間の重なりの確立分布数に関する非自己平均性など)が明らかにされつつある(平成2年日本物理学会春の分科会に発表予定)。数値解析では有限サイズの系を調べ、その熱力学的極限をとって相転移特性等を解析するが、有限系のデ-タそのものも、現実の物質におけるエルゴ-ド・非エルゴ-ド的転移現象を調べる上での情報として重要であると考えている。
2.2次元イジングEA模型の有限温度(常磁性相)でのスピンの空間相関を調べる手だての一つとして、各温度における自由エネルギ-のヘシアン行列の固有モ-ドを解析した。特に、最低固有値モ-ドがT=0に向って非局在化していく過程を詳しく調べている。EA模型で強磁性相互作用を相対的に増やしていくと強磁性秩序が出現することになるが、そのような領域まで固有モ-ド解析を行うのがここでの興味であり、スピングラス・強磁性転移の機構を探る予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Takayama: "Spin Glass Properties of a Class of Mean Field Models" J.Phys:Condensed Matter. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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