• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

蒸発が関与したランダム・パタ-ンの形式

研究課題

研究課題/領域番号 01540306
研究機関中央大学

研究代表者

松下 貢  中央大学, 理工学部, 教授 (20091746)

キーワードリ-ゼガング環 / オストワルド・ライプニング / 自己相似性 / フラクタル / 形態還移
研究概要

合金・多成分液体の相分離やリ-ゼガング環の形成には構成分子の媒体内での蒸発・凝集過程(オストワルド・ライプニング)が重要であると考えられている。このことをより具体的に解明するために、我々は単位構成要素による蒸発・凝集過程のみからなる理想化されたパタ-ン形成のモデルを提案し、計算機シミュレ-ションによってランダムなフラクタル・パタ-ンが形成されることを確認した。通常のリ-ゼガング環形成の実験では、濃度勾配の存在のために規則的な環状(2次元系)や層状(1次元系)のパタ-ンが得られる。しかし、上記シミュレ-ションの結果はリ-ゼガング実験を2次元均一系で行うとランダムな自己相似フラクタル・パタ-ンが得られることを暗示している。
我々は反応媒体として寒天を選び、一方で1次元的ガラス細管で通常の規則的なリ-ゼガング・パタ-ンを観測すると同時に、他方でこれと全く同じ反応物質をガラス・シャ-レ内で擬2次元的に均一反応させてパタ-ン形成の観察を行った。上記シミュレ-ションの結果から予想されたように、自己相似性を有するランダムなフラクタル・パタ-ンが得られた。但し、反応条件により多様なパタ-ンやその還移が見られ、初期の予想よりはるかに内容が豊富なようである。現在、温度や濃度をパラメ-タとしてパタ-ンの相図を作製中である。
また、この研究の副産物として、寒天内での樹枝状結晶成長、寒天表面でのバクテリア・コロニ-形成の実験がスタ-トしたことを強調したい。これらはいずれも、ランダムなフラクタル・パタ-ン形式及びその還移として共通する面が多く、並行的に研究が進められている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Hayakawa: "Cluster Growth through Evaporation Processes" Physical Review A. 40. 2871-2874 (1989)

  • [文献書誌] P.Meakin: "The Growth of Ramified Clusters by Particle Evaporation and Condensation" Physica A. 161. 457-475 (1989)

  • [文献書誌] H.Fujikawa: "Fractal Growth of Bacillus on Agar Plates" Journal of the Physical Society of Japan. 58. 3875-3878 (1989)

  • [文献書誌] M.Matsushita: "Diffusion-Limited Growth in Bacterial Colony Formation" Physica A.

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi