研究概要 |
1.ab initio法に基づき電子状態の計算を行うために必要なC^<3+>,C^<4+>,N^<4+>,N^<5+>,O^<5+>,O^<6+>イオンの基底関数を求めた。N^<3+>とO^<4+>イオンの基底関数については現在実行中である。 2.Generalized Valence BondーConfigurational Interaction法(GVBーCI)法+pseudopotential法を用いてこの研究で取り扱う系のうち(C^<3+>,C^<4+>,N^<4+>,N^<5+>,O^<5+>,O^<6+>+H)系のポテンシャルエネルギ-を計算した。電荷の等して系のポテンシャルエネルギ-全体の形はよく似てはいるがそれでもavoided crossingの位置は最大で2au程異なっていた。このことは電子補獲過程に相当の影響を与えると思われる。 3.(O^<5+>+H)系に対して(1)1重項,3重項状態に対しGVBーCI法を用いて電子状態の計算を行い,ポテンシャルエネルギ-を求めた。(2)2電子型ETFを考慮し,動径結合,回転結合を求めた。(3)3重項状態に対して衝突エネルギ-0.1〜10keV/amuにおいてImpact Parameter法に基づくClose Coupling法を用いて電子捕獲断面積を求めた。この結果単なる1電子捕獲過程に加え,電子捕獲の際に同時にO^<5+>イオン中の電子が励起する2電子過程も起っていることがわかった。1重項状態に対する計算は現在実行中である。 4.(N^<4+>+H)系に対し衝突エネルギ-0、01〜10keV/amuで電子捕獲断面積を求めたところ全断面積のエネルギ-依存性に興味深い振動構造が現れた。この結果と下記8の結果を論文としてまとめ投稿した。 5,6.(N^<6+>,O^<7+>+H)系に対して上記3の方法を用いた電子捕獲断面積の計算を現在実行中である。 7,8.チャネル数が2,3の場合の低エネルギ-用の量子力学に基づく断面積計算プログラムを作製し(N^<4+>,N^<5+>+H)系に対し実行した。計算結果は実験値と非常によく一致した。
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