研究概要 |
京都大学理学部物理教室に新しく設置されたタンデム型静電加速器を用いて研究が行われている。この加速器は平成2年1月に、陽子(16MeV)及びSiイオン(64MeV)で5μAの加速性能を達成し、現在加速器として使用する為の施設検査に合格する為の整備が行われている。 初年度の研究実績は次の通りである。 1.8MVのタ-ミナル電圧が得られるとして、その場合の二次粒子の発生する可能性を計算した。(^7Li,^6He)などの核反応を考え、核反応解析コ-ドTWOFNRを使用して前方角における発生量を求めた。 2.タンデム型静電加速器の内部構造を調べ、ビ-ム・オプティックスのシュミレ-ション計算を行った。タ-ミナル部に設置する核反応タ-ゲットとして、^<12>C,^<13>C,^<10>B,^<11>Bなどの融点の高い金属を中心に考えて計算を行った。 3.加速器は、平成2年1月に予定の性能に達しており、この研究を進める上で充分であることが明らかになっている。 4.現在、施設検査に合格する為に、放射線量の測定を行っている。中性子の発生量をおさえる為のシ-ルド設置などの作業を行っている。又、コ-スの整備を物理教室のスタッフと協力しながら行っている。 5.コ-スに設置する電磁石・散乱層などの研磨・洗浄を行い、ビ-ム実験を行うことが出来る条件(10^<-7>Torr)になる様に作業中である。購入した分子ポンプはその為に使用されている。
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