研究概要 |
この研究は、京大理学部物理教室に新設されたタンデム型静電加速器を使用し,二次粒子や不安定粒子を加速・応用するもので、当加速器の建設・運転にともなって研究が進展して来ている。この加速器は平成2年度より実験が行われ始めており、当研究も大巾な進展をしている。 1.まず専用のビ-ム・コ-スを実験室に設置した。その為にQ電磁石を分析電磁石の後に置き、専用のグクト及び散乱〓を結いだ。 2.ビ-ムは10^<ー6>Torr以下(つまり10^<ー7>Torr台)でなければ出すことが出来ないので、この研究費補助金で購入したタ-ボ分子ポンプを使用して、目的の超高真空(現在3×10^<ー7>Torr)にすることが出来た。 3.二次粒子として ^6Heに注目し、Liイオンの加速を行うとともに、( ^7Li, ^6He)反応の研究を行い、角度分布等を半導体検出器を使用して測定した。そのデ-タを核反応コ-ドで解析し、前方0゚での ^6He粒子のYieldを推定した。 4.加速器のタ-ミナル部に1mg/cm^2程度の核反応用フォイルを置き、ビ-ムの透過状況を調べたが、少し厚すぎることが判明し、次年度に100〜500μg/cm^2程度のフォイルを設置する必要があることが明らかとなった。 5. ^<14>Cなどの不安定原子核を直接加速することも同時に試みており、その方法による不安定原子核の加速・応用についての予備結果を得ることが出来た。 これ等の結果をもとにして、最終年度は二次粒子(不安定粒子)を直接加速し、散乱〓に通して原子核物理・原子物理等の研究を行う予定である。
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