研究課題/領域番号 |
01540317
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
海老沢 徹 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30027453)
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研究分担者 |
阿知波 紀郎 九州大学, 理学部, 助教授 (60027456)
秋吉 恒和 京都大学, 原子炉実験所, 講師 (40027420)
田崎 誠司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40197348)
河合 武 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20027436)
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キーワード | 中性子干渉計 / 多層膜中性子ミラ- / 冷中性子 / 磁気多層膜中性子ミラ- / 偏極中性子 |
研究概要 |
1.多層膜中性子干渉計は、冷中性子に適した干渉計であるばかりでなく、磁気ミラ-を用いれば干渉計により直接偏極中性子を制御できるので、物理的応用の範囲を飛躍的に広げることができる画期的な中性子干渉計である。しかし、その実現のためには、各種多層膜ミラ-の開発及び干渉計に用いられる4枚のミラ-を総合的に1ミクロン以内の精度で設置することが必要である。 2.入射中性子ビ-ムを作るために長波長中性子用の高分解能の多層膜モノクロメ-タ-、あるいは干渉計用のミラ-のうち、半透ミラ-としては反射率がほぼ50パ-セントのもの、反射ミラ-としては反射率が90パ-セント以上のもので波長特性のそろったものが必要である。これらミラ-の開発は本年度において完了した。 3.ミラ-の設置精度については、位置精度の検査方法及び固定方法については確立した。しかし、温度変化については、約1度Cと目標の0.3度C以内を達成出来ていない。その結果、本干渉計により得られる干渉パタ-ンのコントラストは、約10パ-セントと良くなく、物理的な応用のためには、温度制御において一層の改良が必要である。 4.多層膜中性子干渉計に特有のテ-マとしては、中性子に対するマイケルソン型の干渉計の製作や中性子の電荷の上限に関して高精度の測定が可能である。また、磁気ミラ-を用いた場合には遅延選択実験やダブルシュテルン・ゲルラッハの実験が考えられる。これらについて具体的な実験方法の検討が進んでいる。
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