研究課題/領域番号 |
01540328
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長沢 工 東京大学, 地震研究所, 講師 (40012918)
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研究分担者 |
大久保 修平 東京大学, 地震研究所, 助手 (30152078)
村田 一郎 東京大学, 地震研究所, 教授 (20012916)
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キーワード | 重力異常 / フォッサマグナ / 活断層 / 松本盆地東縁断層 |
研究概要 |
本年度は、松本盆地東縁断層の最北部およびその北側延長部に付き重力測定を実施し、新たに123点で重力異常を求めた。その結果、重力測定点の分布は同断層上で均質かつ密なものとなった。前年度の測定で既に約190点を得ており、また他機関から公表されたデ-タを加えると約600点での重力異常が求められたことになる。本研究の第一の成果には、地下構造を議論したり、また断層運動パラメ-タを推定する上で貴重な地球物理デ-タを提供できたことが挙げられる。 作成されたブ-ゲ-異常図からは、松本盆地東縁断層が、累積変位3kmの逆断層の累積変位をもつことが結論され糸魚川ー静岡構造線がユ-ラシアプレ-トと北米プレ-トとの衝突境界である可能性を支持する結果を得た。 それに加えて、特筆すべき成果としては、重力測定点の位置決定にGPS (Global Positioning System) が有用であることを実証したことである。トランスロケ-ションGPS法を使えば、観測点の水平位置、標高が1mの精度で、10分以内に求められることを検証したのは、本研究が本邦では初めてである。GPSが重力異常の研究を支援する有力な技術であることを検証した意義はきわめて大きい。それを要約するならば次のようになる。 「従来は3次元座標を求めることが困難であったために重力異常を求めることをあきらめていた山岳域などでも、今後はGPSの支援下で重力測定をすすめることにより、均質かつ高密度な重力異常測定点分布を実現する道を切り開いた。」
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